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不器用なふたり トリプルバトル5

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-01-23 10:00:04

頬に受けた切り傷の痛みと、頭突きからくるふらつきで顔を歪ませる橋本とは対照的な、余裕のありすぎる笹川の様子はムカつくものだった。その余裕から油断しないか、血まなこになって隙を探る。

「さぁて、ふらつく足取りで橋本さんがどこまで逃げられるか、追いかけっこしようや」

笹川は握りしめていた両拳を緩めて、手のひらが見えるように開く。

「何をするつもりなんだ?」

ノーガードを表す格好に、橋本の眉の間に自然と皺が刻まれた。

「握力自慢をしようかと思ってなぁ。日々トレーニングするのにハンドグリッパーを使っているんだが、アメリカの製品ですげぇのがあるんだ。世界で5人しか使いこなすことのできないグリッパーを、最近閉じれるようになったんだぜ」

「世界で5人……」

橋本の額から、つーっと汗が滴り落ちた。見えない恐怖で歯がガチガチ鳴りそうになり、奥歯をぐっと噛んでそれをやり過ごす。

「何でも、握力が166キロないと使えないグリッパーらしい。ちなみにネット通販で売ってる。三千円もしない商品なんだけど、橋本さんも使ってみるか?」

(確か成人男性の握力の平均って、45キロ前後だった記憶がある。コイツぁ化け
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    ☆☆☆ 4人がそれぞれのゴーカートに乗り込み、準備ができたことが傍からわかると、場内に響き渡るような放送が耳に聞こえてきた。「これからおこなわれるレース第三回目は、男性4人組のお客様になります! 二周する間に見られるであろう、火花散る友達同士のやり取りをお楽しみください!!」 その放送で、場内にいる客からの視線を一斉に浴びることになった4人は、自然と緊張感が増していった。(――間違いなく雅輝の走りに、ここにいる全員が魅了されるんだろうな) 橋本が微妙な気持ちに陥ってる間に、目に映る信号が赤から青に点灯し、大きな破裂音がした。先頭にいる榊が勢いよくスタートすると、それを追いかける和臣が、榊のすぐ後ろをついていく。 少しだけ離れた位置からふたりを追いかけた橋本の背後に、宮本の気配がなかった。(俺と同じように遠くから前の車の動きを見て、走行ラインを決めようとしているのかもしれない) 目の前に左回りのコーナーが迫った。ブレーキングして適度にスピードを落とし、最短距離で攻めるべく、前の車と同様にイン側のラインを走行する。 イン側を綺麗に攻めたゴーカート三台を、一番後方にいた宮本は外から抜かした。それもあっという間にアウト側からサクッと抜かされた出来事について、橋本は驚きを隠せない。「雅輝っ!?」 ブレーキでスピードを落としているコーナーだからこそ、抜かされること自体不思議じゃなかった。自分たちは減速しているのに対して、宮本の運転するゴーカートはアクセル全開でコーナーを駆け抜けていったので、なにがいったいどうなっているのかわからなくなる。 先頭にいた榊と宮本の距離が、あからさまに離れていった。「まったく。相変わらずどんな車でも自分のものにして、ポテンシャルを引き出しちまうんだから、すげぇとしか言えない」 ぽつりと独り言を呟いた橋本だったが、もう一台意外な運転をするヤツを目にする。 圧倒的なドライビングテクニックを使い、ブレーキもそこそこに、アクセルワークでコーナーを次々と突破していく宮本に追いつこうと、榊が必死に追いかける姿だった。 尋常じゃない速さの宮本に引き寄せられるように、人が変わったような走りを見せる。いつもの冷静沈着な榊は、そこにいなかった。(なんていうか、和臣くんを追いかけてる恭介を表している感じと言うべきか) クレイジーな走行

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